サイトップ™はアモルファス(非晶質)構造のため、極めて高い透明性を実現します。専用のフッ素系溶媒に溶解するため薄膜コーティングが可能です。また「透明性」「低屈折率性」「電気絶縁性」「撥水・撥油性」「耐薬品性」などの特性を同時に有します。
サイトップ™の概要・特長
様々なフッ素の特性を発揮
「撥水・撥油性」「耐薬品性」など、一般的なフッ素の特性以外に「透明性」「水と同様の屈折率」「蛍光特性がないこと」「エレクトレット特性」等、ユニークな特性も有するため、様々な分野で対応可能です。
薄膜コーティングが可能
サイトップ™は専用のフッ素系溶媒に溶解するフッ素樹脂のため、1μm以下の薄膜コーティングが可能です。スピン、ディップ、スプレー、ダイコートなど、形状に応じた様々な塗布が可能です。
塗布方法に応じた希釈溶媒
サイトップ™は特殊な構造を有するフッ素樹脂であり、多くの溶剤に対し不溶なため、希釈する際には専用溶媒で希釈されることをお薦めします。塗布方法に応じて2種類の沸点の溶媒を取り揃えています。スピンコートは180℃、ディップコートは100℃、スプレーコートはこれらの溶媒をブレンドすることで綺麗な塗膜が得られます。
サイトップ™の用途
サイトップ™はエレクトロニクス・情報通信・ライフサイエンスなど、幅広い分野で使用されています。また、世界各国の公的研究機関・大学における最先端の研究開発を推進させる次世代型材料として、ご評価頂いています。
サイトップ™の用途
サイトップ™の使用が期待されている用途と、従来から使用されている用途の事例を掲載します。
フレキシブルディスプレイ向け有機半導体用ゲート絶縁膜
「有機半導体との相性」が良いフレキシブルな絶縁材料として、多くの研究機関で使用されています。
深紫外LED用封止材
エポキシ樹脂やシリコン樹脂では、耐久性不足となる深紫外領域のLED用封止材として、サイトップ™の耐久性が着目されています。
振動発電器向けエレクトレット材料
サイトップ™は電荷を半永久的に保持する性能(=エレクトレット性能)も有するため、IoT向けセンサ用電源として期待されている振動発電器向け材料として使用されています。
フォトマスク用防塵フィルム「ペリクル」
半導体製造プロセスにおける露光工程で生じる歩留り低下を防止する部材が「ペリクル」です。深紫外領域の光も透過するサイトップ®が使用されています。
超高速プラスチック光ファイバー「FONTEX」
サイトップ™を適用することで石英と比べて柔軟、且つ超高速な伝送が可能です。銅線と比べても低消費電力で軽量、ノイズに強いなどの特長があります。
細胞・DNA・タンパク質検出用の「バイオチップ」
サイトップ™は、「生体物質低付着性」「低蛍光性」「水とほぼ同じ屈折率」「濡れ性制御」などの特性を有するため、バイオチップの流路に使用されています。
品番紹介
CYTOP標準品番は分子量(2種)、官能基(3種)、溶媒、濃度、ろ過精度の組合せにより品番名が設定されています。
品番名 | 分子量 | 官能基の種類 | 溶媒沸点 | 溶媒種類 | 濃度 | ろ過精度 | 容器の種類/容量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
CTL-809A | 低分子量 | Aタイプ | 180℃ | PFC | 9% | 5μm | PE/100g |
CTX-809A | 標準 | Aタイプ | 180℃ | PFC | 9% | 5μm | PE/100g |
CTL-109AE | 低分子量 | Aタイプ | 100℃ | HFE | 9% | 5μm | PE/100g |
CTX-109AE | 標準 | Aタイプ | 100℃ | HFE | 9% | 5μm | PE/100g |
CTL-809M | 低分子量 | Mタイプ | 180℃ | PFC | 9% | 5μm | PE/100g |
CTL-107MK | 低分子量 | Mタイプ | 100℃ | HFC | 7% | 5μm | PE/100g |
CTX-809SP2 | 標準 | Sタイプ | 180℃ | PFC | 9% | 0.2μm | PE/100g |
CT-SOLV180 | 180℃ | PFC | PE/100g | ||||
CT-SOLV100E | 100℃ | HFE | PE/100g | ||||
CT-SOLV100K | 100℃ | HFC | PE/100g |
※分子量: 標準25~30万程度、低分子量15~20万程度
※官能基: Aタイプ)-COOH Mタイプ)-CONH~Si(OR)n Sタイプ)-CF3
※有償サンプルセットは、溶液100g(=100g*1本)+希釈溶媒300g(=100g*3本)のセットで
販売しています。希釈溶媒は薄膜化や膜厚制御を行う目的で使用されます。
厚膜で使用する場合には、溶液のみでも塗布可能です。
※希釈溶媒はCT-SOLV180, CT-SOLV100E, CT-SOLV100Kの3種類、取り揃えています。
基本的に溶液の沸点に合わせてご使用頂きますが、スプレー塗布等につきましてはブレンドして
ご使用頂くことも可能です。