ルミフロン®は、AGCが1982年に世界で初めて商品化した溶剤可溶型フッ素樹脂です。防食・建築用などの各種塗料やコーティング剤の原料として、フッ素の「耐候性」で各種基材を保護し、長期にわたり美観を維持しています。
ルミフロン®の概要・特長
優れた耐候性・防食性
フッ素樹脂はその化学的安定性により、他樹脂に比べ格段に優れた「耐候性」を示します。その中でも、FEVE(フルオロエチレン・ビニルエーテル)交互共重合体を主鎖に持つルミフロン®は紫外線による分解を防ぐ強固な結合エネルギーを持ち、塗装物を長期間保護し、メンテナンスコストの低減を実現します。
溶剤可溶性・常温乾燥性
一般にフッ素樹脂はその安定性から溶剤に殆ど不溶ですが、ルミフロン®はFEVE構造により各種溶剤に溶解可能です。また、従来型の塗料用フッ素樹脂(PVDF樹脂)とは異なり、常温乾燥・硬化も可能なタイプです。様々な塗装方法に対応可能ですので、工場ラインでの焼付用塗料にはもちろん、現場塗装用途にも幅広くお使い頂けます。
高い意匠性
ルミフロン®は透明なフッ素樹脂で、高い顔料分散性を持つことから、クリア塗料にも着色塗料にも自在にお使い頂けます。 また、光沢値も幅広く調整可能ですので、様々な意匠性要求に高いレベルで応える事が可能です。
ルミフロン®の用途・事例
ルミフロン®を用いた塗料・コーティング剤は、その優れた「耐候性」により各種の基材を保護し、長期にわたり塗装物の美観を保持します。また、ルミフロン®の「光学特性」や「耐薬品性」が各種産業で活用されています。
ルミフロン®の用途
ルミフロン®の主な用途をご紹介します。
重防食用途
橋梁や鉄塔などのインフラ、ケミカルタンクや煙突などのプラント設備等をフッ素の「耐候性」でさびから守ります。
建築・建材用途
フッ素の「耐候性」により、外壁・屋根などの外装部材の美観を長期にわたり保ちます。金属、樹脂、コンクリート、セラミックなど、様々な素材に適用可能です。
各種コーティング剤用途
「耐候性」「耐薬品性」「透明性」「電気特性」など、フッ素の基本特性が、各種コーティング剤の性能向上に貢献しています。
ルミフロン®の事例
ルミフロン®は、30年を超える歴史と共に、世界中で多くの実績を持っています。ここでは主な採用事例をご紹介します。
東京スカイツリー®
竣工年:2012年
用途:重防食(鉄部塗装)
東京スカイツリーは東武鉄道・東武タワースカイツリーの登録商標です。
明石海峡大橋
竣工年:1998年
用途:重防食(鉄部塗装)
マリーナベイサンズ
竣工年:2010年
用途:建築材料(外装パネル”アルポリック®”の塗装)
”アルポリック”は三菱樹脂株式会社の登録商標です。
ルミフロン®の製品ラインナップ
ルミフロン®は、お客様でのさまざまな使用方法や、環境対応ニーズにあわせて、溶剤系、水系、フレーク状の3グレードをご用意しています。