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みんなのフッ素講座
- そういえば先生、さっきの有機フッ素の講義で「フッ素と炭素の結合」って言っていましたけど。あれはどういうことですか?
- フッ素の原子と炭素の原子が強固な結合を作る、つまりコンビを組む、というイメージです。
- コンビですか。
- 炭素原子は世の中に広く存在します。炭素原子同士の結合、つまり炭素と炭素のコンビもかなり強いのですが、例えるなら大人同士が手をつないでいるようなものです。必要があれば助け合うけど、基本お互いに干渉しないというような。
- フッ素が入ると?
- フッ素の原子そのものは非常に強烈(電子を引っ張る力が最も強い)で不安定ですが、炭素の原子と一緒ならとても安定になります。例えるならやんちゃな子供と優しいお母さんですね。子供(フッ素)がいつも優しいお母さん(炭素)とコンビを組む。
- コンビというか親子ですからね。それは強固でないわけがない。
- フッ素と炭素の結合は非常に強く、このために耐熱性、耐候性(耐紫外線性)、耐薬品性などに優れているのです。
- 親子なら何でも乗り越えられると。
- その他にも、低摩擦、撥水性、電気絶縁特性(電気を通しにくい)など、親子ならではの面白い特性を出すことができます。
- なるほど、わかりました。そんなフッ素と炭素のコンビのすごさを表す一例は何かありませんか?
- 例えば、このコンビを使ったAGCの製品にフッ素ゴムがあります。自動車のエンジンなどではオイルシールと呼ばれる、高温のオイルに浸かった状態でオイルを漏らさないように封をする部材にこのフッ素ゴムが使われています。高温の油や薬剤に対する高い耐久性が求められる、シビアな例です。
- すごいですね、フッ素と炭素のコンビ!