課題解決事例

少ないエネルギーとコストで塩分を含む大量の排水を処理したいが、課題が山積みで・・・
排水処理のエネルギーを60〜80%削減!工場のZLD(Zero Liquid Discharge)も実現!

総合水処理エンジニアリング会社X社
設計部

背景

様々なプロセスを組み合わせて、お客様の要望に合わせた総合的な水処理ソリューションを多数提供しているX社。企業の環境対策が進む中、廃液処理についての問い合わせが得意先から増えており、担当する設計部では対応に追われていた。

課題

産廃業者には頼めない、塩分を含む大量の排水への改善を求められるが対応が難しく

設計部が、ある得意先にヒアリングを行ったところ、深刻な状況が見えてきました。この得意先の工場では、塩分を含んだ大量の排水が出ていたため、環境への影響が問題視されていたのです。周辺住民や役所からは、排水に含まれる塩分を低減するように指摘され、早急な対応が求められていました。
脱塩自体は、RO(逆浸透)を用いた脱塩技術などにより行えます。しかし、大量の濃塩水排水が発生するので、それを適切に処理しなければなりません。そこで、産業廃棄物処理業者に相談してみましたが、想定以上のコストを前に踏み切ることができませんでした。

このときの状況を、担当した設計部のエンジニアY氏は次のように語ります。
「検討の結果、排水の水分を蒸発させて、固形分を減容化する方法を模索しました。しかし、大量の水分を蒸発させるためには、膨大なエネルギーが必要になります。より排水の塩分を濃縮してからでなければ、蒸発に大変なコストがかかるだけでなく、このエネルギー消費による、別の環境影響が露呈してしまいました」

今度は、ROにて塩分を濃縮後、蒸発固形化することを検討しました。しかし、ROにて濃縮した濃塩水排水では、まだ濃度が薄く、蒸発量は多いままで、かかるコストやエネルギー消費に大きな差はありません。
Y氏たちは具体的な解決策を見いだせず、得意先に提案できないまま、時間ばかりが過ぎていきました。

課題のポイント

  • 塩分を含んだ大量の排水について、水分を蒸発させ固形分を減容化する方法を検討するも、膨大なエネルギーがかかり、別の環境問題に発展する恐れが

  • ROにて塩分を濃縮後に水分を蒸発させようとしたが、濃度が薄く効果が無かった

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