課題解決事例

長年使用してきたAK-225が2019年末で購入できなくなってしまった・・・
代替溶剤のさまざまな課題を解決した、新リリースのフッ素系溶剤の実力とは?

金属部品メーカーH社
製造部

背景

H社では自社製の金属部品洗浄にフッ素系溶剤であるアサヒクリンAK-225(以下、AK-225)を長年使用してきた。ところが2019年末で購入できなくなったため、代替の洗浄剤を検討し始めた。

課題

AK-225の代替品は、AK-225同等の性能を維持し、取扱いが容易な溶剤を選定したい

検討を任された技術部のT氏は代替にあたり、情報収集を進めた。すると、「H社の同業他社でも弊社のフッ素系溶剤で検討を進めてもらっている」という売り込みが、AK-225とは別のメーカーからあり、サンプルをもらって評価、検討を行うことにした。

この結果についてT氏は次のように語った。
「評価をした結果、まず気になったのが沸点の低さでした。AK-225よりも沸点が低いため、消耗量が増えて、洗浄剤の使用量が従来よりも多くなってしまい、コスト効率が悪い点を強く感じました。対策には設備面の見直しが必要で、設備投資が必要になることから、代替溶剤としての採用は難しいと思いました」

他の溶剤を試すも、同じように追加の設備投資が必要で、現実的でないため断念・・・

T氏は念のため、他の溶剤も検討することにした。まずは、炭化水素系の溶剤について調べてみたが、乾燥性が劣ることや消防法の対応、防爆設備(洗浄機)の新規導入に追加投資が必要になることが分かり断念した。水系洗浄剤も溶剤単価が安価なため検討を行ったが、排水処理施設や大型洗浄機の追加投資が必要なうえに、排水処理や乾燥の懸念もあり、断念した。

売り込みのあった代替品や他の溶剤の可能性がなくなり、この状況にT氏は焦りを感じていた。

課題のポイント

  • 売り込みがあった溶剤を評価したが、AK-225よりも沸点が低く消耗量が増えて、コスト効率が悪すぎる

  • 炭化水素系の溶剤は、乾燥性が劣るうえに、消防法対応と防爆設備(洗浄機)の導入など、追加投資が必要となる

  • 水系洗浄剤は、乾燥が劣るうえに、排水処理施設や大型洗浄機の投資、排水処理が必要となる

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