課題解決事例

産業用コンベアベルトの寿命を延ばしたい・・・
接着性フッ素樹脂水系ディスパージョンが解決!

産業用機械メーカーX社
製品開発部

背景

得意先のメーカーから、設備部品の長寿命化について相談されていた産業用機械メーカーのX社。ところが、その改善内容はかなり難易度が高いものだった。

課題

コンベアベルトが短寿命で交換頻度が高い。ベルト交換によるラインの停止が頻発し、増産に踏み切れない・・・

得意先のメーカーからの改善要望は、半製品を各工程に搬送するコンベアベルトの劣化についてでした。コンベアベルトは、高熱が発生する焼成工程から一気に冷却する急冷工程まで、半製品を乗せて搬送する部分で使用されており、過酷な環境下ではベルト表面の塗布層が剥がれやすくなる現象が発生したのです。

相談を受けた製品開発部のN氏は、こう振り返ります。
「コンベアベルトが劣化して交換が必要となる場合には、そのたびにラインを一時停止しなければなりません。昨今お客様では、オーダーが増えて生産性を上げたいタイミングでもあるのに、現状のままではライン停止が心配でフル稼働ができない状況でした。非常に切迫した課題だったので、早く解決したかったです」

N氏たちは要求に応えるため、問題視されていたコンベアベルト中の基材とPTFEの接着性について見直しを進めました。各基材の表面を加工したり、塗布しているPTFEディスパージョンの配合率を調整したりと、あらゆる試作を繰り返します。しかし、要求されている接着強度をどうしても達成することができません。

「さまざまな工夫を施しましたが、うまくいきません。基材との接着強度に限界を感じていました。代替案も探しましたが、すぐには見つけられませんでした」(N氏)

N氏たち製品開発部のメンバーはこの状況になす術がなく、困惑してしまいました。

課題のポイント

  • コンベアベルトを過酷な環境下で使用しているため表面の塗布層が剥離しやすく、ベルト交換にはラインを一時停止する必要があるために生産性が下がり、増産に踏み切れなかった

  • 基材とPTFEの接着性を見直し、あらゆる方法を試みたが、要求されている接着強度を達成できなかった

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