課題解決事例

加速する再生可能エネルギーの活用!自社工場でも実現したいが、ここである問題が・・・
HFC-245faの代替品に適した、フッ素系媒体の驚くべきスペックとは?

エンジニアリング会社G社
設備設計部

背景

工場内の自家発電設備や排熱活用の相談がこのところ増えているG社。欧米企業の多くが再生可能エネルギーの活用に取り組んでいることを知り、ある顧客からの相談について情報収集を急いでいた。

課題

排熱を利用したバイナリー発電に着目したまでは良かったが、課題が山積していて・・・

G社の設備設計部は早速、チーフエンジニアのR氏を中心としたプロジェクトを発足させて、顧客企業の工場の調査を開始しました。

再生可能エネルギーというと、太陽光・水力・風力発電といった自然のエネルギーを利用した発電方式が挙げられます。ところが、ご相談いただいたお客様の工場は立地上の制約があり、敷地面積も限られていたため、こういった自然エネルギーを利用することができませんでした。

「お客様と打ち合わせを重ね、工場内で日々多くの排熱が発生している点に着目しました。そこで、バイナリー発電であれば可能ではないかと考えました」(R氏)

R氏はバイナリー発電所の実現に向けて顧客の工場の実地調査を開始しました。ところが調査を進めていくなかで、想定外の事実が判明。製造工程からの工場排熱は100℃以下の低温域で排出されているものが多く、そのほとんどが有効活用されていない状況であることがわかったのです。

「通常であれば、低温域のバイナリー発電用媒体としては、低沸点のフッ素系媒体であるHFC-245faが適していると言われています。しかしこの物質は環境規制対象となっており、先々のことを考えると問題になることは明らかでした」(R氏)

そこでR氏たちはHFC-245faの代替品として炭化水素系媒体を検討しましたが、可燃性物質であったため、保管方法や保有量等での制約もあり、推奨できないという判断に至ります。

R氏は急いでHFC-245faの代替製品について情報収集を行いましたが、なかなか適当な製品は見つからず、お客様への提案期限は刻々と迫っていました。

課題のポイント

  • バイナリー発電を検討するも、使用できる工場排熱は100℃以下の低温域で活用が難しい

  • 低温域であればHFC-245faが媒体として適当だが、この物質は環境規制対象だった

  • 代替製品として炭化水素系媒体を検討したが、取扱いでの制約に課題があった

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