課題解決事例

需要増で新ライン増設も「洗浄剤」の保有量が消防法規定をオーバー・・・
必要量をしっかりストック!洗浄力や事故リスクへの不安も払拭できたわけ

工作機械メーカーT社
製造技術部

背景

海外向け工作機械、ロボットの需要増に対応するため、T社では現在もほぼフル稼働で生産を行っているが、新たにラインの増設を実施することにした。

課題

新ライン増設に伴って増える洗浄剤の保有必要量が、消防法が定める限度を超えてしまう

ラインの増設にあたり担当になった製造技術部のM氏は、稼働に必要な各種機器類の準備を進めていた。製造周りは順当に進んだが、洗浄工程でつまずいてしまった。炭化水素系洗浄剤について、新ライン用の追加量を試算したところ、全体保有量が消防法で定められた限度を超えてしまうことが判明したのだ。保有量の調整を何度も試みたが、洗浄のことを考えると調整はかなり難しかった。

事故のリスクがあり、安全管理に手間がかかるが、洗浄力の強さから離れられなくて・・・

実は以前よりこの炭化水素系洗浄剤に関しては、引火性のため事故のリスクがあることから、管理の難しさが社内で問題視されていた。今回、保有量の課題が浮上したことをきっかけに、製造技術部では洗浄剤を別のものに切り替える方向で検討を始めた。
しかし、現行の炭化水素系の洗浄剤は洗浄力が高く、環境にもやさしいため、現場からは使用の継続を強く望む声が多く寄せられていた。

「当社としては、保有量の規制が厳しく安全管理に手間がかかる炭化水素系は、今回の設備増設を機に使用を取りやめたい。しかし現場のスタッフたちは『汚れ落ちがよく使いやすい』と満足しているようで・・・」(製造技術部・M氏)

M氏を中心に、代替商品の調査だけは進めていたものの、切り替えの実施にはなかなか踏み切れない状況だった。

課題のポイント

  • ライン増設に伴い洗浄剤の保有必要量が増加するが、消防法の定める限度を超えている

  • 炭化水素系洗浄剤は可燃性のため事故のリスクがあり、管理にも手間がかかる

  • 他の洗浄剤への切り替えを検討したが、洗浄力などのメリットが強く、なかなか進まない

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