課題解決事例

充填機のゴムパッキンやOリングに匂いが残ってしまい・・・
低着香性と耐スチーム性・耐薬品性に優れたフッ素ゴムで難題が解決へ

食品・飲料メーカーZ社
製造技術部

背景

幅広いジャンルのドリンク製品を製造しているZ社。近年顧客の嗜好が多様化し、多品種少量生産が常態化。
生産ラインでは段取り替えも頻繁に発生する中、製造技術部はある問題に直面していた。

課題

匂い移りがひどく、コンタミまで発生して多品種少量生産はとても難しい状況に・・・

直面している問題とは、いくつかの製品に、異なる製品の匂いが移ってしまうことであった。
対策にあたることになった、製造技術部の班長S氏はこのときの状況を次のように語った。

「特に柑橘系ドリンクなど香りの強い飲料を製造したあとで、同じ充填機を使うと、次の製品に匂いが移ってしまうことがあります。特に、お茶など繊細な香りが重要なものは、匂い移りが顕著なケースが散見されます。このままでは、多品種対応は難しいですね」

S氏たちは早速、原因を調べることにした。すると、充填機に多く使用されているゴムパッキンやOリングが匂い移りの原因であることが判明。関係者間で対策を検討した結果、まずはパッキンなどの洗浄を強化することからはじめることが決まった。

手始めに、洗浄方法を従来のやり方から変え、スチーム洗浄温度を高くし、かつ洗浄時間を長くしてみた。ところが、洗浄剤を強力なアルカリ性薬品に変更して少し経ったころ、新たな課題が発生してしまった。

「パッキン類が亀裂や溶解で劣化し、コンタミが発生してしまいました。今度は商品の変色や異物混入といった、新たな懸念が生まれてしまいました」(S氏)

対策について、S氏たちは充填機メーカーとも協議を重ねた。しかし、匂い移りが小さく、耐薬品性・耐スチーム性のいずれにも優れた素材でできたパッキン類に心当たりがなかったのだ。具体的な解決策を導き出せないまま、時間ばかりが過ぎていった。

課題のポイント

  • 充填機で多く使用しているゴムパッキンやOリングに、柑橘系ドリンクなど香りの強い飲料を製造した場合、匂いが移り込み、その後で製造する製品に影響をおよぼしていた

  • パッキン類の洗浄方法について、スチーム洗浄温度を上げ、洗浄剤を強アルカリ性タイプに変更したところ、パッキン類が一部劣化してしまったことにより、新たにコンタミ問題が発生

  • 1

  • 2