課題解決事例

24時間の乾燥工程が、わずか15分に
プリント基板に適した防湿絶縁コーティング剤とは?

産業機械メーカーB社
製造部

背景

B社では、早期故障の原因となる錆を防止するため、プリント基板にコンフォーマルコーティング(防湿絶縁コーティング)を施していた。同コーティングを施した製品は、長期間安定稼働するとユーザから好評で、需要も増え、増産を急ぐ必要が生じていた。

課題

コーティング剤の乾燥工程がタクトタイム短縮のボトルネックに

製造部のN氏は、ラインスピードを上げてタクトタイムの短縮を図り、生産数を増やそうと考えた。しかし、最大のボトルネックとなったのが乾燥工程だった。プリント基板に塗布する防湿絶縁コーティング剤の完全乾燥には、丸一日かかってしまう。待機スペースにも限りがあり、やみくもにラインスピードを上げても意味がない。

乾燥工程を加熱すれば、コーティング剤の乾燥時間を短縮することは可能である。しかし、そのためにはラインの設計を大幅に変更する必要がある上、ランニングコストも増大してしまい、また熱により製品を痛める懸念もあるなど現実的ではなかった。

同等以上の性能を持つ速乾性のコーティング剤が見つからない

次いで、N氏はコーティング剤の変更を検討した。ところが、同等以上の防湿絶縁性能を持つ速乾性のコーティング剤を見つけることができなかった。

長期間の安定稼働は、B社製品と安価な競合製品との差を決定付ける大きな強みになっている。そのため、故障防止という高付加価値の実現に不可欠な防湿絶縁性能について、妥協することはできなかった。

課題のポイント

  • 防湿絶縁コーティング剤の乾燥に24時間かかり、タクトタイムの短縮のボトルネック

  • 加熱すれば乾燥時間を短縮できるが、ランニングコストが増大し、製品を痛める懸念もある

  • 置き換えを検討したが、同等以上の防湿絶縁性能をもつ速乾性のコーティング剤が見つからない

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