課題解決事例

部品の乾燥に時間がかかる上に、冷めるまで検査ができない。さらに不良品まで発生して・・・
多品種小ロット生産にも柔軟に対応できた!洗浄工程の強い味方とは?

金属部品メーカーS社
製造技術部

背景

S社の洗浄工程は、水系洗浄剤を用いた洗浄、純水によるすすぎと乾燥で構成されていたが、昨今の多品種小ロット生産ニーズに対応するためには、この洗浄〜乾燥工程の時間短縮をしなければならず、工程の見直しを検討していた。

課題

熱風乾燥後に次の作業に取りかかれず、とうとう「溜まり」ができてしまい・・・

S社では削り出した金属部品を一旦水系洗浄剤で洗浄し、純水によるすすぎの後に100℃の熱風で乾燥するという洗浄工程で行っていた。今までにいろいろな方法を試してみたが、このやり方がS社の製品には一番マッチしていた。ところが、昨今の多品種小ロット生産のオーダーにはこの工程がなかなか合わず問題が頻発していた。

対策を任された製造技術部のK氏は、この時の状況を次のように語った。
「乾燥後に部品の検査を行うのですが、部品が冷めるまでに時間がかかってしまうことで、検査待ち部品のいわゆる『溜まり』ができてしまい、それに伴うタクトタイムの上昇がかなり問題になっていました」

熱風乾燥によるシミのふき取りや不良品まで・・・洗浄工程の見直しが急務に!

実は、問題はタクトタイムの上昇だけではなかった。被洗浄物の構造によっては、熱風乾燥によって乾燥シミができやすい部品も多く含まれていて、シミの拭き取り作業が頻発していたのだ。単一構造の部品の時はあまり問題視されていなかったことが、多品種小ロット生産になって目立つようになってしまった。厄介なのは、拭き取り時間が増えた上に、シミが酷いものは不良品となってしまうということであった。

K氏は洗浄工程周りの改善について、情報収集を進めたが具体的な改善策や相談に乗ってもらえるコンタクト先はなかなか見つからなかった。

課題のポイント

  • 洗浄工程が多品種小ロット生産についていけず、部品検査待ちの「溜まり」ができてしまい、タクトタイムが上昇

  • 熱風乾燥が原因のシミのふき取り作業や、酷いものは不良品扱いになってしまうという問題が新たに露呈

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