課題解決事例

指紋・汚れが目立つと試作品がNGに
既存製品にも採用できた防汚性向上の秘策

自動車部品メーカーK社
製品開発部

背景

K社では、ダッシュボードやインパネ、センターコンソールなどの樹脂製内装部品を製造している。

課題

指紋や汚れが目立つと試作品がNGに

K社が内装部品の試作品を取引先の自動車メーカーに納品したところ、「指紋がつきやすい」「汚れが目立つ」と指摘を受け、NGの評価が下された。原因は、見た目の美しさにこだわって採用した表面仕上げにある。デザインの再現性を重視し、フィルム貼り付けで仕上げた結果、指紋や汚れ、ほこりが付着しやすくなってしまったのだ。社内でも入念な試作評価を実施しており、品質に自信を持っていた製品開発部はこの結果に頭を抱えた。

製品の外観・素材を変えずに、防汚性を高めたい

試作品は、強度テストは合格しており、外観の仕上がりの美しさについても高い評価が得られていた。顧客の要望に応え、指紋や汚れの問題を解消する必要があるが、せっかく高評価を受けた外観に変更は加えたくない――それが製品開発部・担当者たちの本音だった。そもそも、開発は最終段階に差し掛かっており、素材の見直しなどを行う十分なコストや時間はかけられない状況でもあった。

外観や素材を変えずに、指紋や汚れの問題を解消する手段を探すほかなく、開発チームは情報収集に注力。しかし、よい解決策は一向に見つからず、時間ばかりが経過していった。

課題のポイント

  • 防汚性・耐指紋性を向上させたい

  • 外観を含む製品の仕様は変更できない

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